把手付けたような開発ブログ

スクラムマスター/ソフトウェアエンジニアとしての学びをつらつらと

渋谷で働くゲームエンジニアを卒業しました

どうも皆さんこんにちは。
鞍馬ぽめると申します、よろしくお願いいたします。

退職エントリとかいうやつです

私事ではございますが、この度 2018 年 02 月より約3年半勤めた エルアンドエル・ビクターエンタテインメント(以下 LLV )を八月末日を以て退職いたしました
今回はその振り返りと今思っていることを退職エントリという形で記してみようと思います

LLV ってどんな会社?

llvictor.com

主にタレントさんのマネジメントや舞台イベントの企画運営などをやっている会社です
面白いことを色々やってる楽しい会社ですよ

入社に至った経緯

もともとは新卒で入社した独立系 SIer 企業でソフトウェアエンジニアとして働いていたのですが、4年目になり「モダンな環境で開発がしたい」「よりユーザーに近い仕事がしたい」「給料もうちょっと上げたい」など、転職に対する意欲が少しずつ湧き始めていました時期でした

そんな時に以前出向先で仲良くしていただいた方から、「知り合いから新規事業を立ち上げる話を聞いたんだけど、エンジニアを求めているらしく話を聞いてみないか」とお誘いいただきました

実際にお話を伺ってみたところ、仕事の内容や裁量、待遇面などどれも素晴らしい条件でしたので、事業立ち上げという不安定さは少し心配にはなりましたが、 「まだ若いし、チャレンジしてみよう」 ということで承諾させていただきました

在籍中はどんなことをしていたの

スクラムマスターリードエンジニア を兼任 1 させていただいておりました

入社当初

まずはアジャイル開発の導入や技術選定など開発の土台作りから始めていきました

とはいえ SIer 時代は Scrum で言うところの 開発者 として働いており、リード経験はございませんでしたのでどれも手探りでした
幸いなことに自分よりも専門性の高いエンジニアばかりがジョインしてくださったので、ひとりで背負うことなく助けていただきながら進めることができました

ただ、この頃は 「自分が引っ張らないと」という思いが強く、今思うと自分の意志を前面に押し出しすぎていた なとちょっと恥ずかしくなります

ある程度の土台が整ったところでまずはモックアップを作ってみようということになりました
この頃はエンジニア内で意見がぶつかることがとても多かったのですが、 ひとつひとつ時間をかけて話し合うことでお互いの価値観を共有する ことができ、モックアップを作りきる頃にはお互いを尊重しながら自分の意志を伝えることのできるエンジニアチームが築かれていました

ステークホルダーの方々へのモックアップのプレゼンも成功、その後みんなで食べに行った青物横丁の焼肉屋さんは最高でした

開発前期

良いスタートが切れたので本格的に開発がスタートしました

しかし徐々にタスクが溢れるようになってしまいました
やはり、 スクラムマスターとリードエンジニアの兼任はかなり厳しい ものがありました

昼間はスクラムマスターとしての顔、メンバーが帰宅した定時後はエンジニアとしての顔、といった仕事の仕方をしていたため、どんどんパフォーマンスが落ちていきました
周りが見えなくなってきていて、たぶんこの頃はメンバーからの信頼もだいぶ失っていたと思います

そしていよいよ耐えきれなくなりました
今だから言える話ですが、この頃はネガティブな理由で会社を辞めることも視野にいれるくらいには思いつめていました
「自分がやらないと」という思いに対して出せない成果、その現実に押しつぶされそうになっていたんですね

そんな悩みをプロデューサーに相談したところ 「もっと周りを頼って良いのに、むしろ辞められる方が困るよ」 と一言
今思えば当たり前のことなのですが、どうしても「デキるリーダー」はそういうものだと思いこんでしまっていて、そういうものになろうとしてしまっていたのですね
プロデューサーから頂いたこの言葉が転機となり、この頃から少しずつ人にお願いすることを大事にするようになってきました

開発後期

この頃はパートナー企業さんにも助けていただきながら開発スピードが爆発的に上がった時期でした

ぼくはというと社内フレームワークのようなもの 2 を実装仕上げてからはメインの開発業務を離れ、 サーバントリーダー 的な動きを心がけるようにしていました
この頃から徐々にメンバーからの信頼も回復できていたのではないかと自負していますが、思い違いでないことを祈ります

またこの頃からチームの障害を取り除くため、今まで経験したことのない様々な業務を経験するようになりました
監査対応などはその代表的な例で、 監査の方々向けに資料をまとめてプレゼンするといった経験はソフトウェアエンジニアとしては得られないもの であったと思います

様々な障害を乗り越えながらもなんとかリリースすることができ、リリース後はたくさんのユーザー様に愛していただける素敵なプロダクトになりました
ゲーム会社ならではですが、ありがたいことにユーザー様からお手紙などをいただくこともあり、それはどれも感動するものばかりでした

ぼくたちのプロダクトが誰かの人生に少しでも良い影響を与えることができているという実感が、本当に喜ばしいことでした

終盤

リリース後数ヶ月で新しいチームの立ち上げが決まりそちらに異動、その後 事業部長 3 という役職がつきました

またこの頃、改めて Scrum について学び直そうと思い、 Certified ScrumMaster の資格を取得しました

kuramapommel.hatenablog.com

面白いことに 他社様からアジャイル導入支援のご依頼をいただき、簡単なスクラムレーニングを行ったこともありました
この辺の経験が今回の転職を考える切っ掛けになりました

なんで辞めるの?

アジャイルコーチという仕事に魅力を感じたから」 というのが大きいです

ぼくは昔から人の成長を支えるような活動が好きでした
具体的な内容はちょっと恥ずかしいので伏せますが、学生の頃からしばしばそのような活動を行っておりました

加えて、これは言うまでもないのですが、アジャイルの考え方がすごく好きなんですよね

そんなぼくにとってスクラムマスターというお仕事はとてもマッチしたお仕事でしたが、アジャイル導入支援のご依頼のお話を頂いたときに、 自分のチームだけでなく様々なチームへの支援をするアジャイルコーチというお仕事にチャレンジしてみたいという気持ちが生まれてきました

そして少しずつアジャイルコーチとしての求人を探し始めました

ちなみに LLV に対してネガティブな思いは全くありません
すごく大好きなチームで毎日楽しく働かさせていただき、数多くの学びある充実した経験を積ませていただき、感謝してもしきれません

沢山の方々に支えていただきながら歩んできた3年半でした

これから

お陰様で無事某社より内定をいただきまして、 アジャイルコーチとして働けることが決まりました
新しい会社のことは時期を見てお話させていただければと思いますが、正直自分でもびっくりするぐらい素敵な企業に拾っていただけたので、貢献できるよう精一杯努めてまいりたいと思います

今は、たくさんのチームを笑顔にしていきたいと考えています
ユーザーの幸せを実現することは幸せなことです、そんな幸せなチームを少しでも増やしていけるようがんばりますので、何卒応援の程よろしくお願いいたします

ちなみにソフトウェアエンジニアとしての活動はひとまず休憩しようと思っています
ソフトウェアエンジニアというお仕事も自分にとっては天職だと考えておりますが、まずは新しい会社のお仕事に集中して、ある程度慣れてきたら副業という形で活動を再開していこうと考えておりますので、その際はお声がけいただけますと幸いです

最後になりますが、在職中お世話になった方々本当にありがとうございました
会社が変わってもまた一緒にお仕事させて頂く機会はあるかと存じますので、引き続きよろしくお願いいたします

最後まで読んでいただきありがとうございました


  1. 兼任はアンチパターンなのでおすすめしません。

  2. SuccessFailure の結果を持つ Result 型を作って、各レイヤーの処理結果を Result 型でラップしてやり取りする機構。ちなみに今同じことをやるならわざわざ自作せずに louthy/language-extEither とか使います。

  3. 恐れ多い役職名ですが、プロダクトマネージャみたいなものです。